第12回 もてぎ7時間エンデューロ 4時間の部ソロ

去年のリベンジをかけるべく、第12回もてぎ7時間エンデューロ 4時間ソロの部に出場してきました。


<結果>
順位:ソロ13位/700人くらい  ソロ年代別3位/人数不明 総合16位/1,183人
タイム: 4:04:50.584(35周)
平均速度:40.8km/h
平均心拍:158bpm
平均ケイデンス:91.3rpm
Average Power:205.5w
Normalized Power:232.3w


<スペック>
フレーム:Eddy Merckx EMX-1 (2010)
コンポ:Dura-Ace 9000系
車輪:EQUNOX SP50
その他備品:パイオニアペダリングモニター、ボトル
重量:7.5kgくらい?
朝食:サンドイッチ、赤飯おにぎり、蒸しパン、どら焼き、ちくわパン、黒糖サンド
補給食とサプリメント:後述


 自分の中で今季最後のレースとなる、もてぎエンデューロ。春の同レースでは初めて4時間ソロを完走し、今回はより上を狙うべく目標を『30位以内』『最後まで先頭集団に食らいつく』にて臨みました。そこそこの登りあり、インターバル区間あり、そして4時間160kmの耐久力という、今年の練習の集大成を試されるレース(だと、自分の中では位置づけています)。


<〜前日準備編>
 下ごしらえとして、レース6日前の日曜からグリコーゲンローディングを開始。本来は『食事での糖質割合を徐々に増やしていく(食事量はあまり変えない)』のが常道らしいのですが、やった事はとにかく炭水化物をたくさん食べること。シンプルでいい。とにかく大盛。いまの体重はなぜか今季最軽量といえるほど低めなので多少重くなっても問題はなさそうですし、コース的にもヒルクライムほどの軽量は不要かなと。またミネラル充填のためサプリ摂取と、ミネラルウォーターでのウォーターローディングにもトライ。カッコいい名前ですが実際はただÉvianを毎日飲むだけ。脚攣りが怖いのでその対策として取り入れましたが、水曜の高強度練であっさり攣りそうになりNUWA-。当日補給の2runとMAG-ONに望みを託すのみです。当日補給するカフェインの効果を出すために一週間コーヒーも断ちました。


 食事調整に合わせてトレーニングも調整モードへ移行。積むよりは回復優先に、短めの練習。自分レベルで調整どうこうは誤差の範囲だと思いますが、少しでもメリットがありそうな事は全てやるスタイル。2日前はフルレストにし、前日朝練で1分3本。9月の秩父宮杯後からかなり脚の調子は良く、疲れも抜けた状態で臨めそう。


<当日準備編>
 当日は2時起き。あまり眠れてないですがとりあえずツインリンクもてぎへ。4時半に駐車場着。一番会場に近い無料駐車場をゲット。まだ真っ暗です。ここで90分ほど仮眠。多少うとうとした程度ですが良しとします。試走ではフォロワーさんのさんにえさんと一緒に1周走りました。ニューマシンがカッコいい。7時間ソロに出る猛者で、以前ヤビツ練を御一緒したときは千切られてしまいました。試走後はレース装備を整え、ほどなく整列時間になりました。


 今回の補給食はおおむね上記写真。実際は下記をその順番で補給。カロリー、アミノ酸、脚攣り対策、カフェインをローテする感じで摂りました。

スローバー
アミノバイタル マルチエネルギー
2run
ザバスPit-in(カフェイン25mg)
アミノバイタル トリプルショット
カーボショッツ(カフェイン80mg)
黒ごま最中
Mag-On
梅丹の黒(カフェイン100mg)

 ボトルは2本で1,500mlくらい、すべてCCDドリンクです。レース後は1リットル1本飲みきって終わったので、結果としては多過ぎました。



<新城選手。7時間集団の先頭を牽いていたようです>


 整列では無事前から2番目をゲット。その直後に尿意が。NUWAー。今更抜けるわけにもいきません。走っているうちに汗で排出される事を祈りつつ、VespaとZEN虎、アミノバイタルを飲みました。しかし今日はかなりの寒さです。歯の根が噛み合なくなるほど。ウェアは、SKINSのロングインナートップと、同じくSKINSのカーブタイツにコスプレのプロチームジャージ。ゴムのシューズカバー(あまり防寒機能なし)。補給食の取り回しを考えて指抜きグローブ。腰痛対策に腰に貼るカイロ。寒さは走れば解消されるとは思いますが…そしてスタート。


 もてぎのコースは、高強度がかかるポイントがいくつかあります。スタート直後の登り区間(上図マル2番からの直線)、下りながらの鋭いV字カーブ(上図マル3)、ピット反対側の30Rコーナー立ち上がり(上図第3コーナー30R)、そして最終カーブからのホームストレート。ここを何度もこなせるだけの脚力は勿論のこと、逆の発想としていかに脚を『使わない』かが最後まで生き残るカギだと思います(とても消極的ですが)。とにかく長丁場なので出来る限り脚は温存したいです。そこで自分の基本的サバイバル戦術としては『集団前方にアンブッシュし、高強度のかかるポイントでは集団が伸びてもすぐ踏まずに縮むまでちょっと待つ。伸びたままなら踏み直したり、前に出てくる人の後方について追いつく。下りではなるべく最初だけ踏んで慣性と重力に頼り、脚を止めて回復させる。』という超防御的戦術。耐久レースですから生き残る事が即ち順位アップに繋がります。いのちだいじに。



<試走での1枚>


<レース本編>
 最初の1時間は集団中盤やや前あたりに、基本戦術どおりアンブッシュして潜んでいました。てか今回ホント人数多い。実に多い。先頭集団が大集団です。100人くらい居るんじゃなかろうか。コースの幅1/3くらいを占めることもあり、気が抜けません。集団の内側だと逃げ場がなく危険そうなので、左右どちらか外側のラインにポジショニングするようにします。序盤はインターバルも思ったほど強烈には掛からないので大集団のままずんずん進みます。ぼーっとしてたらあれよと言う間に後方に落ちてしまったので、比較的集団がモタモタしてるときを見計らいスイッと前へ。基本はこれの繰り返しです。45分くらいで、そろそろ最初の補給食摂るかと思いスローバーを食べましたがこれが失敗。固形物は口の中が実にパッサパサになります。NUWA-。そして噛んでいるとき息が乱れる。それくらい予め想定しておけという話ですが…。単騎ならともかく、集団ではダメですね。対策としては、バーを折ってちょっとずつ食べました。


 2時間くらいで?、どうもどっかのチームの逃げが発生したぽいという会話が聴こえてきました。いつの間に。追いかけるとか露ほども考えず引き続き集団にアンブッシュ(防御的戦術)。2時間経ってもまだあまり脚のダメージはなく、息も整っているので、なんかこれ最後まで生き残れそうか?と希望を感じました。集団が落ち着くポイントでは腰の曲げ伸ばしをして疲労軽減。それと腰に貼ったカイロのお陰か、前回ほど腰が張っている感覚もないのは良かったです。集団には7時間ゼッケンのチームジャージぽいひとが混ざっていたのですが、この人たちが牽いてるとき妙に速いなーと思っていたら、どうもゲストライダーさんらしい。ときおり後方から単独で一気に先頭まで抜けて行く。声掛けも小まめにしてくれる。さすがプロです。


 2時間半ほどで登りのスタンディング走法にやや違和感。これは脚攣りの兆候。きたか。ここからがほんとうの地獄です。あまり脚の負担をかけないように回します。下りで脚を止め、脚を内側にプルプルさせている人がいたのでそれを真似てみる。なんか良さそう。効いてくれ。この頃からインターバルがややキツくなり、中切れしそうなヒヤリ場面も。登りよりもインターバルで脚がピクつく事が多い。2run摂っていてもこの有様です。最後の頼みの綱、Mag-Onを3時間目ジャストに投入。


 3時間目。心拍はあまり高くないが脚の疲労が厳しい。この辺りから、たぶんちょっとスピードが上がっていたのだと思います。こうなるとどこにポジショニングするか迷います。集団の後方だとインターバルがキツいので、多少先頭を牽く事が多くなっても前方で展開する事にしました。実際、前をひく頻度が上がり、たった数十秒ですが実にキツイです。そしてゲストさんの牽きには着いていけずNUWA-となる。いっぽう自分以外は元気な人が多く、たびたび飲み込まれ後方に下がってしまう。なんとか中切れさせずに着いて行くのが精一杯でした。


 3時間半。意識はまだはっきりしていますが脚が。最後の補給食、梅丹カフェイン100mgを摂りカフェインパワーに期待(他力本願)。なんかいつの間にか色々と7時間ゼッケンの人が混ざってきています。チームゼッケンのひとたちなら脚残ってるだろうし前牽いてほしいなーと、ありとあらゆる事象について他力本願モード。グリフィンジャージ(ゲストライダー)の人が、「残り3周くらいだけど逃げ集団とあと1分まで縮まってますよ」と教えてくれました。なんでおれなんかにそんな情報を?と思って周りのゼッケンを見たら、もう4hソロ生き残りは集団内にあまり居ない模様。あぁ、自分はひょっとして入賞圏内にいるのかなとぼんやり考えました。でも、かりに逃げを吸収したとしても、最終周のペースアップを考えると…。


 そしてついに最終周。逃げを吸収したとかしないとか、会場のアナウンスが聴こえてましたが、意識を脚以外に移したら、その瞬間に脚が爆発しそうでそれどころじゃない。嫌な予感通り、登りからペースが更に上がります。脚攣りでスタンディングが出来ず、シッティングでもスピードが伸びない。あえなく先頭集団から切れてしまいました。NUWAー。スタートから集団で3時間55分。ここまでか…後ろの皆様、最後に中切れしてしまい申し訳ございませんと思って振り返ると誰もいない。ありゃー。事実上の足切りラインで自分だけが足切りされてしまったとちょっと落ち込み、また、それでも目標順位は達成できそうだしいいかなと甘い考えも浮かびました。でも、千切れてもレースは終わらない。最後まで踏まないと、やり切らないとと気持ちを切り替えて単騎で踏み直しました。やれなかった事も含めて今の全力をゴールまで持っていかなければ。最終ホームストレートでは、攣りながらスプリント。スプリントとはとてもいえない、ケイデンス低めの立ち漕ぎレベルでした。フィニッシュ。


 老人のような足取りでまずは最短距離でトイレに。ここが本当のゴールだ。4時間分を排出後、iPhoneで速報順位を確認したところ13位。前回は40位台だったので大幅にジャンプアップ出来ました。順位よりも、最終周まで集団に残れたという事は自分の中で大きいです。最後の最後で千切れたのは本当に悔しいですが、悔しくも自分の中では納得の結果。これが仮に3周多くても3周少なくても同じく最終周に千切れてたと、なんとなく直感的に思います。最後の高強度に耐える筋持久力。ここを埋めればこのレースを最後まで戦えそう。その領域にようやく半歩ほど脚を突っ込めた実感があります。もてぎのコースは走っていて本当に楽しく、集団の一体感や展開もたっぷり味わえ、苦しいながらもそれ以上に幸せな時間を過ごせました。来年はゴール前まで生き残れるように、また1から頑張ります。